2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧
【58番目のうた】 有馬山猪名の笹原風吹けばいでそよ人を忘れやはする 【意訳】 有馬山猪名の笹原に風が吹き、そよそよと音をたてる。私があなたのことを忘れたかですって?そんなことありま(有馬)せん、わすれていな(猪名)いわ。まったく、そうよ(そよ…
【57番目のうた】 めぐり逢ひて見しやそれともわかぬ間に雲がくれにし夜半の月かげ 【意訳】 あなたにめぐり逢いあなたという人を確かめたくてもできないうちにあなたは亡くなってしまった。夜更けの月影が雲に隠れてしまうほど、わずかな間に。 ※一般的には…
【56番目のうた】 あらざらむこの世の外の思ひ出に今ひとたびの逢ふこともがな 【意訳】 私の命はもうすぐ尽きてしまう。この世にはいない思い出のあの方にもう一度、お逢いしたい 。 ※一般的な解釈は「この世の思い出に、もう一度だけあなたに逢いたい」で…
【55番目のうた】 滝の音は絶えて久しくなりぬれど名こそ流れてなほ聞こえけれ 【意訳】 滝が枯れて滝の音が聞こえなくなってから久しいけれどもその名声だけは流れ伝わって今でも人々の口から聞こえている。 【作者 大納言公任(だいなごんきんとう】 祖父…
【54番目のうた】 忘れじの行く末までは難ければ今日を限りの命ともがな 【意訳】 「ずっと忘れない」というあなたの言葉が永遠のことだというのは難しい。それなら今日を限りに命が尽きてしまえばいいのに。 【作者 儀同三司母(ぎどうさんしのはは】 高名…
【53番目の百人一首】 歎きつつひとり寝る夜の明くる間は いかに久しきものとかは知る 【意訳】 「今日もあなたは来ない」と嘆きながら一人で寝ていると夜が明けたりするんです。その時間がどんなに長く感じられるものか…あなた知ってます? 【作者 右大将道…
【52番目の百人一首】 明けぬれば暮るるものとは知りながらなほ恨めしきあさぼらけかな 【意訳】 朝が来たら夜になって、またあなたに逢える。それはわかっているけれど、それでも、しらじらと夜が明けていくのを見るにつけ離れなくてはいけないのが悲しいの…
【51番目の百人一首】 かくとだにえやは伊吹のさしも草 さしも知らじな燃ゆる思ひを 【意訳】 これほどまでの気持ちを伝えたいのに伝えられません。伊吹山のさしも草ではないけれどそれほどまでとはご存知ないでしょう。私の燃えるほどの想いを。 【作者 藤…
【50番目のうた】 君がため惜しからざりし命さへ ながくもがなと思ひけるかな 【意訳】 あなたのためなら惜しくもなかった命ですが想いを遂げた今となってはできるだけ長くあってほしいと思っています。 【作者 藤原義孝 ふじわらのよしたか】 類まれな美男…