五拾番 激しい情熱が成就する兆し。

【50番目のうた】

君がため惜しからざりし命さへ

ながくもがなと思ひけるかな 

【意訳】

あなたのためなら惜しくもなかった命ですが
想いを遂げた今となっては
できるだけ長くあってほしいと思っています。 

【作者 藤原義孝 ふじわらのよしたか】

類まれな美男でかつ人柄も良く、18歳で右少将となった藤原義孝。「末の世にもさるべき人や出でおはしましがたからむ(今後もこのような人は現れないだろう)」と言われるほどでしたが残念ながら21歳で天然痘にかかり、若くして亡くなってしまいます。

【ご宣託】

若さゆえの激しい情熱がほとばしっています。しかも、あなたのその情熱的な願いが叶えられる予兆が出ています。達成感と歓喜に浸れるでしょう。

しかし、その一方でその天にも昇るような気持ちは長く続かないでしょう。予想もしなかったことが起きて、状況が一変する場合もあります。また、単純にその状態に慣れてしまい、「夢のようなできごと」が「当たり前の日常」へと変質していくこともあります。

頭の隅のどこかで、歓喜の状態が長くは続かないことを受け入れつつ、その時がきたら、その輝ける瞬間を目いっぱい享受してくださいね。